バス停から湖が見られた
バス停から湖が見られた

ヨーロッパでも温泉が楽しめることは広く知られるようになり、さほど新鮮味がないように感じます。しかし、ヨーロッパの温泉は水着着用の場合が多く、日本の入浴スタイルとは大きく異なります。ブルガリアには「スーパー銭湯」風の天然温泉があります。しかも、日本の入浴スタイルとよく似ていました。

■観光客はゼロ、ソフィアっ子が通う天然温泉

私が訪れたスーパー銭湯風の天然温泉はパンチャレヴォ温泉(Pancharevo Mineral Baths)です。パンチャレヴォ温泉は首都ソフィアの近郊にあり、公共交通機関でのアクセスも可能です。市内中心地のセルディカ駅から地下鉄4号線のツァリグラドスコ・ショセ(Tsarigradsko Shose)駅で下車し、路線バス1系統に乗り換え。バス停「バーニャ・パンチャレヴォ(Banya Pantcharevo」で降り、バス停からは徒歩すぐです。

バス停からはパンチャレヴォ湖が見えました。パンチャレヴォ温泉の源泉は湖の底と湖の周辺にあります。湖の周辺には観光客向けのリゾートスパも見えました。

私が利用するのは観光客向けスパではなく、地元客向けの銭湯風天然温泉「天然バーニャ」です。天然バーニャの正面左には湯の成分表が書かれており、右手には温泉水が出る蛇口がありました。

■持っていくものは洗面用具とスリッパ

館内には多くの利用者がいたため、撮影は控えました。写真をご覧になりたい方は「ブルガリア温泉遺産協会」ホームページにアクセスしてください。扉を開けると、日本の銭湯のように番頭役の女性スタッフがいました。スタッフに5ユーロを払うと、女性スタッフがロシア語で「あなた、スリッパは持ってる?」と言われました。天然バーニャの利用にはシャンプーなどの洗面用具の他にスリッパが必要です。私は事前に調べていたこともあり、洗面用具とスリッパを持参していました。

男性更衣室に入ると、そこには男性スタッフがいました。男性スタッフからロッカー用の鍵を受け取った際、男性スタッフから「裸に!(NAKED!)」と強烈な一言。天然バーニャでは一般的なヨーロッパの温泉とは異なり、水着は着用しません。裸になるわけですが、日本とは異なり小タオルは浴場には持っていきません。正真正銘の全裸で浴場に向かいます。

浴場はそれほど大きくありませんが、3つのセクションで構成されていました。それぞれ、立式シャワー、座れる浴槽(クルニ)、そして湯が張ってある一般的な浴槽です。クルニには石の長椅子の間に洗面台のような水溜めがあり、桶を用いて体全身に冷水を浴びせます。

浴場では常にスリッパを履きます。私は最初に立式シャワーで体と髪の毛を洗い、その後にお湯がある浴槽に向かいました。浴槽は3分の2が37度、3分の1が42度です。浴槽に入る手前でスリッパを脱ぎ、浴槽に入ります。

浴槽内はブルガリア人に合わせているため、日本の浴槽と比べると少し深め。地元客は浴槽の縁に座りながら、黙って入浴を楽しんでいました。最も日本と異なる点は水筒を浴槽内に持参し、ときどき水を飲んでいる点です。

泉質は無色透明でしたが、ヨーロッパならではの硬水なので、日本の温泉のような滑らかな印象は受けませんでした。

私は37度の浴槽につかった後、クルニに行き冷水を体にかけ、その後42度の浴槽に行きました。冷水で体をサッパリした後に、熱い湯に浸るスタイルも気持ちいいものです。

40分ほど温泉を楽しみ、館内を出ました。

■入浴後は食事が楽しめる

本館横には小さな売店があり、食事や飲み物が注文できます。私は昼食後に訪れたこともあり、コーラを注文。入浴後の外で飲むコーラは最高でした。確かに日本のスーパー銭湯のような設備はありませんが、地元客が利用する素朴な雰囲気が私の嗜好に合っていました。

観光客が行くリゾートスパもいいですが、こういう地元民が使う銭湯風スパもおすすめです。ソフィアから夜行列車や夜行バスの乗車前にサッパリしたいときにも使えますよ。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)