犬と生活を共にしている人にとって、愛犬が自分の心のよりどころになっていることは多いでしょう。ペットが見せてくれる無償の愛は、時に人の心を救ってくれる力があります。しろやぎ秋吾さんが投稿した作品『犬が伝えたかったこと(リン)』は、そんな愛犬との絆を漫画にし話題となっています。
物語の主人公は、感情を表に出すのが苦手な女子学生。仕事で不在がちな父や忙しい母にも本音を言えないまま、自分の感情に蓋をして過ごす毎日を送っていました。そんな彼女にとって、愛犬であるパグのリンとソファでくっつき合う時間だけが、唯一の安らぎでした。リンの人懐っこさや心地よさが主人公を癒していたのでした。
しかし吹奏楽の部活が忙しく、帰宅が遅くなるようになると、リンはなぜか彼女のスティックケースを隠すようになります。何度注意してもイタズラをやめず、その日の朝もケースが見つからないまま学校へ向かいました。
ところがその日の夕方、事態は急変します。母から「リンが危ない」という報せが届いたのです。急いで帰宅した彼女が目にしたのは、ソファの上で静かに息を引き取ったリンの姿でした。ソファの隙間にスティックケースを見つけ「今日はよっぽど、出かけてほしくなかったんだね」という母の言葉に、彼女はこらえていた感情を爆発させ号泣します。
読者からは「とても泣きました。もっと一緒にいたかったんだよね」や「実家のワンコが2日前に亡くなったので姿を重ねて涙が止まりません」など、多くの感動の声があがっています。そんな同作について、作者のしろやぎ秋吾さんに詳しく話を聞きました。
■リンの死が家族をつなぐきっかけに
ー同作を描こうと思ったきっかけがあれば教えてください。
この作品は「犬が伝えたかったこと」の原作を元にコミカライズしたものです。原作は体験談をベースに書かれたものだと伺っています。
ーリンちゃんがとても可愛いですが、描く上で意識していたことはありますか?
表情を加えても可愛くなるようにデフォルメにこだわったつもりだったのでそう言っていただけて嬉しいです。
ー父親の謝罪の言葉に込めた想いがあれば教えてください。
主人公は悩みを抱えながらも、忙しい父に相談できずにいました。本当は、主人公もリンと同じように父の鞄を隠して出て行ってほしくなかった。でもできなかった。
リンが亡くなり悲しむ父の姿を見て、家族の距離が近づいた。ちょっと抽象的なんですけど、そんな感じのテーマがあるのかなと考えながら描きました。
(海川 まこと/漫画収集家)























