「LEDへの交換」を具体的に検討している人はどのくらいいる? ※画像はイメージです(smile/stock.adobe.com)
「LEDへの交換」を具体的に検討している人はどのくらいいる? ※画像はイメージです(smile/stock.adobe.com)

水銀による環境汚染と健康被害を防ぐため、2027年末をもって一般用蛍光灯の製造・輸出入が禁止されることが決定しています。パナソニック株式会社(東京都港区)が実施した「蛍光灯」に関する意識調査によると、蛍光灯の製造・輸出入禁止について約3人に1人が「聞いたことがない」と回答したことが分かりました。では、蛍光灯の製造・輸出入禁止になることを知った後、「LEDへの交換」を具体的に検討している人は、どのくらいいるのでしょうか。

調査は、全国の20~70代の男女7780人を対象として、2026年3月にインターネットで実施されました。

まず、「2027年末までに蛍光灯の製造および輸出入が禁止になることについての認知率」を調べたところ、「詳しい内容まで知っている」は12.1%、「聞いたことがある」は51.4%と6割を超えた一方で、36.5%が「聞いたことがない」と回答し、認知度の向上には課題が残っていることが明らかになりました。

続けて、2027年末までに「蛍光灯が製造・輸出入禁止になることを知った後の行動」を尋ねたところ、「現在LEDへの交換を具体的に検討している」は、わずか8.8%にとどまりました。

一方で、「今付いている蛍光灯(ランプ)が切れたらLEDへの交換を考えている」といった “消極的買い替え派”は24.6%、「特に何も思わなかった、行動しなかった」は38.5%と、製造終了が迫る中でも、まだ多くの人が自分ごととして捉えられず、具体的な行動に移せていない実態が浮き彫りとなりました。

次に、「蛍光灯の使用意向」について聞いたところ、「2027年末時点で装着している蛍光灯が切れてからLEDに換えたい」とした人は31.6%、「蛍光灯が入手できなくなる前に、LEDに交換したい」は25.9%となり、半数以上がLED照明に切り替える意向を示しています。

なお、2027年末で禁止されるのは「製造と輸出入」であり、その後の販売や使用が禁止されるわけではありません。実際に「2027年末の製造・輸出入禁止までに蛍光灯を買いだめして、使い続けたい」とした人は6.2%と、前回の9.7%より減少したものの一定数存在します。

「蛍光灯を使い続けたい理由」としては、「今の蛍光灯がまだ使えるから」(49.8%)、「価格が高い」(37.1%)、「交換が面倒」(33.1%)が上位に挙がり、心理的・経済的要因によってLEDへの切り替え意向が抑制されていることが明らかになりました。

蛍光灯照明器具にそのまま取り付けられる「交換用LEDランプの認知度」を調べたところ、「現在使っている」(19.2%)、または「過去に使っていた」(8.3%)を合わせると27.5%で、手軽にLED化できる手段として、約3割の人がランプのみの交換を経験している一方、その存在を「知らない・聞いたこともない」と回答した人は46.7%にのぼりました。

手軽にLEDのランプへ交換できる一方で、誤ったランプ選びにはトラブルの危険が潜んでいます。

そこで、「蛍光灯照明器具には複数の種類(起動方式※)があることを知っていますか」と尋ねたところ、「知らない」とした人は63.4%にのぼり、さらに起動方式によって適合する交換用LEDランプが異なることを「知らない」とした人が53.5%を占めました。

※安定器など電源装置を有する照明器具を点灯させるための仕組みや方法のこと

また、「自宅の部屋で使用している蛍光灯器具に適合する交換用LEDランプを、正しく選べる自信はありますか」という質問に対しては、60.2%が「自信がない」と回答。

知識がないまま、蛍光灯器具に適合しないランプを使用してしまうと、正常に点灯しないだけでなく、場合によっては発煙・発火などの重大な事故を引き起こす恐れがあり、消費者が抱えるランプ選びの難しさが、安全上のリスクにも直結しやすい現状が浮き彫りになりました。

さらに、「蛍光灯照明器具の適正交換時期(寿命)」については、3人に1人が「聞いたことがない、初めて知った」(33.4%)と回答し、「詳しい内容まで知っている」とした人は10.6%にとどまりました。

加えて、蛍光灯照明器具の適正交換時期(寿命)を超えて使用した際に「発煙・発火等の重大リスクを引き起こす可能性」があることについても、「詳しく知っている」とした人はわずか5.8%。一方、「聞いたことがない/初めて知った」とした人は52.5%といまだ半数以上にのぼることが分かりました。

■照明のプロが教える、「蛍光灯」と「LED」のキホン

「蛍光灯」と「LED」について同社のライティング事業部の鈴木勝氏は以下のように回答しています。

▽Q.蛍光灯とLEDの見分け方を教えてください

照明のカバーをあけて中を見てみてください。一概には言えませんが、蛍光灯はチューブ状のガラス管で、棒状(直管)や円形(丸管)、あるいは2本から4本が連結されたブリッジ形状(ツイン蛍光灯)のものがほとんどです。

一方、LEDの場合は光源部分が取り外せないような一体構造になっていたり、黄色やオレンジのツブツブ(LEDの粒)がたくさん並んでいる構造のものが多いです。

また、型番が確認可能であれば、ランプの根元の樹脂部分や、端部をみると蛍光灯の場合はF(Fluorescent Lampの略)からはじまる品番がほとんど(電球型蛍光灯はEF)ですので、品番の記載があるものは確認してみてください。

▽Q.蛍光灯からLED照明に交換できる場合と工事が必要な場合、それぞれ見分け方はありますか?

天井に引掛シーリングなどの配線器具がついている場合は、シーリングライトやペンダントライトはご自身で取り外して、LED照明器具に交換が可能です。

ご自身でLED照明に交換できないケースとしては、天井や壁に直付け(または埋め込み)されているシーリングライト、キッチンや洗面所の照明器具、コンパクト形蛍光灯(ツイン蛍光灯)を使ったダウンライトなどを交換する場合です。

この場合、一般的に電気工事が必要となります。これらの作業には「電気工事士」の資格が必須ですので、お近くの電器店・工事店にご相談ください。

また、配線器具がなく天井に直に設置されている照明器具は、交換に工事が必要になる可能性がありますので、お近くの電器店・工事店にご相談ください。

▽Q.電気工事にかかる費用は、どれくらい?

費用は事前調査や工事費、出張費など電器店・工事店によって異なるため、各店舗へお問い合わせください。工事にかかる時間の目安は、例えば流し元灯の交換など一般的(※)な電気工事の場合、1か所あたり数分~15分程度です。

※取り付けのための壁・天井の補強工事や配線位置の変更などがない場合。設置場所や工事の内容によって異なります。また、電気工事ができない場合もあります。

▽Q.以前、蛍光灯照明からLEDシーリングライトに交換していれば、そのままでいいですか?

LEDであっても10年以上使っている場合は、点検・交換の検討が必要です。照明器具の適正交換時期は約10年です。LEDシーリングライトが登場してから10年以上経っているため(同社は2011年から発売)、出始めの頃に交換して10年以上使っている場合は、点検・交換を行ってください。

外観に異常がなくても、内部の劣化は進行しています。またLEDモジュールの劣化に伴って明るさは徐々に落ちて暗くなっていくため、快適性が損なわれている可能性があります。

   ◇   ◇

【出典】
▽パナソニック調べ