1962年、小型ヨット「マーメイド号」で世界初の単独無寄港太平洋横断を成し遂げた、当時23歳の堀江謙一さん。その航海は「太平洋ひとりぼっち」として書籍や映画にもなりました。以降、ヨットによる単独無寄港世界一周や、ソーラーボート、足こぎボート、波浪推進船(波の力で進む船)などでの単独航海といった冒険を続けてきました。
そして来春、88歳世界最高齢での、サンフランシスコから日本への単独無寄港太平洋横断チャレンジが発表されました。
■新たな航海の概要と、新造されるヨットについて
9月8日、堀江さんの88歳の誕生日。兵庫県の新西宮ヨットハーバーで、「ヨットマン/海洋冒険家・堀江謙一氏 単独無寄港太平洋横断計画 計画発表会」がメディア向け開催されました。
前回、2022年の太平洋横断で、現在世界最高齢のギネス記録を保持している堀江さん。今回はその自身の記録を塗り替えるチャレンジです。
1962年、日本からサンフランシスコへの航海の復路として、60年目のチャレンジだった前回は、当時と同じ19フィートという小さなヨットでの航海でした。そしてそのヨットを設計されたのは、1962年の初代マーメイド号を設計した故・横山晃氏のご子息の横山一郎さん。今回の「サントリーマーメイドⅣ号」も引き続き設計しています。
新しいヨットは全長30フィート。長さは5年前の1.5倍です。これによって船内で立ち上がれる天井高など、居住性が良くなって、また航海中の揺れも幾分かマイルドな、人に優しい艇になると予想されています。
「88歳には、ちょうど向いてるんじゃないかと」と堀江さん。会場の空気を和ませていました。
なお、ヨットは現在岩手県で建造中で、11月に進水、年末にテストと練習を経て、年明けにサンフランシスコに運ばれる予定です。
■この航海を最後にしたくない。まだまだ挑戦を続ける88歳
その後、記者からの質疑応答の時間が設けられました。
前回の挑戦を終えて、今回なぜまた新たな挑戦を決心されたのか、との質問には、
「(日々生きていて)何もしないと錆びていってしまう。挑戦することによって、自分自身や日々の生活が活性化するんですね、やはり生きているという実感を感じられます。皆さんもぜひ試してみてください」と、再び会場を和ませます。
また、今回の航海について、いつ頃から計画されていたのかとの質問には、
「4年前に、83歳でゴールして、その後またチャレンジャーとしてのマグマ(情熱)が出てきた。そう言ってますが、……もう(ゴールした)その時に(次はこの航海をすると)決まっていたんです。それをいつ発表するか。妻、ボスの許可も得ないといけないですから、その辺のところもございまして、今回の発表となった次第です」と、早くから心に決めていたことを話されました。
2027年春のこの航海は、サンフランシスコを出て、ホノルルの沖を経て、ゴールは紀伊水道という基本的に前回と同じルートです。ほぼ全行程に渡って、貿易風の吹くルートです。
「貿易風に乗って航海するというのは、これに勝るヨットの航海は無いかと思います」と話される堀江さん、すでにわくわくしている様子です。
「(64年前には)88歳までやらせてもらえるとは考えもしなかったですが、昔から100までやるとホラを吹いてますから、少しは現実に近づけたかと思ってます。ですから88歳で来年航海をしますが、これを最後の航海にしたくはない、もっともっと続けていきたいと思いますので、引き続き皆さんよろしくお願いします」























