入院中の患者※画像はイメージです(Paylessimages/stock.adobe.com)
入院中の患者※画像はイメージです(Paylessimages/stock.adobe.com)

46歳の契約社員・鈴木さん(仮名)。ある日、体調不良で病院を受診したところ、医師から入院が必要だと告げられました。仕事を休んで治療に専念したい一方、貯金は30万円ほどしかありません。仕事を休めば収入が減る可能性もあり、「入院が長引いたら、医療費を払えなくなるのでは」と不安を感じています。

急な入院で支払いに不安を感じたとき、まずどこに相談すればよいのでしょうか。  

■入院費が払えないかも…不安なときは病院の相談窓口へ

入院費の支払いに不安を感じたら、まずは病院の相談窓口へ行きましょう。

病院によって名称は異なりますが、患者相談窓口や医療相談室、地域連携室などが設置されている場合があります。入院中の医療費だけでなく、退院後の生活や仕事について相談できることもあります。

「まだ支払えないと決まったわけではない」と、相談をためらう人もいるかもしれません。ですが、貯金や収入の状況から支払いが難しいと感じた段階で、早めに相談することが大切です。

加入している健康保険や治療内容などを確認しながら、利用できる支援を一緒に整理してもらうとよいでしょう。

■医療ソーシャルワーカーに相談し、利用できる制度を確認

病院の相談窓口では、医療ソーシャルワーカー(MSW)に相談できる場合があります。

医療ソーシャルワーカーは、患者や家族の相談を聞き、医療費や退院後の生活などについて必要な支援につなぐ役割を担っています。

相談したからといって、すぐに費用の負担がなくなるわけではありません。ただ、自分だけでは気付きにくい制度や相談先を確認できる場合があります。

■高額な入院費、負担を抑える方法を確認

急な入院などで医療費の支払いに不安がある場合は、高額療養費制度について確認しましょう。

◆高額療養費制度が利用できるか確認
高額療養費制度では、自己負担限度額を超えて支払った場合、超えた分の払い戻しを受けられる場合があります。入院費をすぐに用意するのが難しい場合は、払い戻しを受けるまでの支払いについて、病院の相談窓口や医療ソーシャルワーカーに相談してください。

なお、入院時の食事代や差額ベッド代など、保険診療の自己負担額とは別にかかる費用は、高額療養費制度の対象外です。

◆窓口で支払う金額を抑える方法も確認
入院時にまとまった医療費を支払うのが難しい場合は、窓口で支払う保険診療分を自己負担限度額までに抑える方法がないか確認しましょう。

マイナ保険証を利用できる医療機関では、限度額情報の提供に同意することで、窓口で支払う医療費を自己負担限度額までに抑えられる場合があります。

マイナ保険証を利用しない場合などは、加入している健康保険から限度額適用認定証の交付を受け、医療機関の窓口に提示する方法があります。

ただし、食事代や差額ベッド代などは別途、支払いが必要になります。

   ◇   ◇

鈴木さんは、入院が決まった時点で、病院の相談窓口に「貯金が30万円ほどしかなく、入院が長引いた場合の医療費が心配です」と打ち明けました。

対応した医療ソーシャルワーカーに、仕事や加入している健康保険について伝えると、高額療養費制度について説明を受け、窓口での負担を抑える方法が利用できるか確認することになりました。さらに、病院の窓口で、入院費の見込み額も確認しました。

また、勤務先の健康保険の加入状況や休業期間などによっては、傷病手当金を利用できる場合があることについても説明を受け、収入面についても確認することになりました。

医療費や休業中の収入について見通しを立てられたことで、鈴木さんは今後の支払いについて考えやすくなりました。

医療費の支払いに不安がある場合は、支払日が迫ってからあわてるのではなく、早い段階で病院の相談窓口で「医療費や生活の相談がしたい」と伝えてみてください。病院によっては医療ソーシャルワーカーなどが在籍していない場合もありますが、必要に応じて適切な担当者につなげてもらえます。

【監修】勝水健吾(かつみず・けんご)社会福祉士、産業カウンセラー、理学療法士 身体障がい者(HIV感染症)、精神障がい者(双極症2型)、セクシャルマイノリティ(ゲイ)の当事者。現在はオンラインカウンセリングサービスを提供する「勇者の部屋」代表。

(まいどなニュース/もくもくライターズ)