日々小論

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 4年ぶりに対面でのリアル開催となった連合兵庫のメーデーに足を運んだ。4月29日、神戸市中央区の大倉山公園。労働組合の名前がプリントされた色とりどりののぼりが、青空によく映えていた。

 労働者の祭典であるメーデーは、10年以上前にも何度か取材した。当時抱いた違和感を、今回は強烈に感じた。理由をひと言で表現すれば、「変わらなさ」だろうか。

 パートやフリーランスといった正社員以外の働き方で家計を支える人が増える中、弱い立場の労働者を守る労組の重要性は一層高まっている。女性、高齢者、外国人など働き手も多様化した。けれど…。

 会場のステージには、ダークスーツの中高年男性がずらり。あいさつも全員が男性だった。来賓として招いた要職者がいずれも男性だから仕方がないと言えばそれまでだが、何とも「ザ・昭和」な光景に映った。

 「ジェンダー平等の実現はもとより、多様な価値観・背景を持つさまざまな人たちとの対話を進め-」。会場で採択したメーデー宣言には、そんなくだりがある。内容には大賛成だが、率直に言って切実感がいまひとつ伝わってこなかった。

 そこで提案。働く人たちのリアルな声を共有する機会を設けてはどうか。例えば若者や女性らが登壇して、正規と非正規の格差、長時間労働、ハラスメントなどの課題を報告し、解決へ向け連帯を呼びかける。多様性重視の姿勢を目に見える形で示してほしい。

 労組に加入する労働者の割合は昨年、過去最低の16・5%になった。女性は12・5%、パート勤務者は8・5%にとどまる。働く者にとって労組が遠い存在のままでは、やはり困る。

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