同性婚を認めるよう求めた裁判で5地裁の判決が出そろい、うち4地裁が「認めないのは違憲」、または「違憲状態」との判断を示した。今こそ見てほしいのがユーチューブの「くうなみチャンネル」だ。
サッカー女子の元日本代表で、なでしこリーグ2部・岡山湯郷Belleで主将を務める横山久美選手(29)と、パートナーのなみさんが出演。米国で同性婚に至った経緯や日常生活などを、ユーモアを交えながら紹介している。
横山選手は米女子プロリーグでプレーしていた2021年、出生時の性別と自認する性別が異なるトランスジェンダーであることを公表した。それまでは世間の目を気にして隠していたというが、転機となったのは渡米だ。LGBTなど性的少数者の存在も当たり前のことと捉えて会話する現地の人々に接し、公表に踏み切った。
すると新たな展開が待っていた。バイデン大統領がツイッターで、横山選手ら公表した2選手をこうたたえた。
「あなたたちの勇気を誇りに思う。おかげで世界中の数え切れないほどの子どもたちが、自分自身に対して新たな見方をするようになった」
その後、横山選手はスタジアムのピッチでパートナーにプロポーズ。同性婚が認められているバージニア州で婚姻届を提出した。
日本スポーツ界ではいま、サッカーだけでなくラグビーやバレーボール、ボクシングなどでも、トップ選手や元選手らが自ら性的少数者と公表している。その行動は、性的少数者への世間の「空気」を変える大きな後押しとなる。何より、日本に1割いるともされ、日々心を削られている当事者を勇気づける。
