日々小論

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 ゴールデンウイークの前後、国宝姫路城を望む姫路駅前を少し歩いただけで、外国人観光客が戻ってきたことを実感した。城に向かう大手前通りでは、欧米人などの家族やカップルの姿が目を引く。商店街の人混みで耳を澄ませば、英語やフランス語の会話が聞こえてくる。

 コロナ禍で激減したインバウンド(訪日客)の数は順調に回復している。姫路城には4月の1カ月間で約6万人が訪れ、コロナ禍前の水準にほぼ戻った。

 全入城者における割合は39・3%で、「平成の大修理」を終えた2015年3月以降では最高だ。4月はまだ中国の日本への団体旅行制限が解除されていなかったため、訪日客数は今後さらに増えるとみられる。

 そんな今、姫路の観光業界が見据えるのは、25年の大阪・関西万博を見据えた体制づくりだ。そのキーワードは「高付加価値化」。姫路城だけでなく、その他の観光地や施設などを一緒に回ってもらえるような価値の構築やPRが求められる。

 姫路観光コンベンションビューローも、すでに取り組みを始めた。市内の魅力的な体験コンテンツやツアーづくり、外国人観光客を受け入れるための環境整備などへの補助事業を実施している。歴史好きなフランス人や何度も日本を訪れている台湾人など、各国の人たちの状況や志向に合わせた観光メニューづくりも視野に入れる。

 「お城だけ」と言われがちな姫路の外国人観光。だが、万博に訪れた人々を姫路まで引き寄せられるお城があるのは、大きな利点だ。さまざまな層に対応できる宿泊施設の整備や飲食メニューの目玉づくりなど、滞在時間を長くするための課題を解決し、より付加価値の高い観光地に成長していってほしい。

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