フランスとドイツが共同運営する公共放送局「ARTE(アルテ)」が淡路島を取材に訪れ、地場産業や現代建築を取材した。来春以降に欧州で放送される予定で、関係者はインバウンド(訪日客)の増加に期待を寄せる。(上田勇紀)
アルテは欧州各国で視聴できる文化専門チャンネルで、テレビ地上波のほか、インターネット配信も手がけている。取材に訪れたのは、世界各地の文化や風土を紹介する番組「旅へのいざない」の制作チーム。幅広い世代の支持を集める、1本約15分の人気番組だという。
チームはディレクターのアンヌ・セデスさんら3人で、10月29~31日に滞在。テーマの一つは江戸時代から続く線香作りで、日本一の生産量を誇る歴史的背景や生産に携わる人々にスポットを当てるという。創業133年の老舗・薫寿堂(淡路市多賀)では陳列された多彩な商品やお香作りを体験する子どもの様子を撮影した。
同社の福永稔会長(87)宅でも、仏前に線香を上げる作法などを取材。長女で企画室部長の魚住桂子さん(59)は「最近は海外の方がお香にすごく興味を持ってくれている。どんな思いで作っているかを知ってもらう良い機会になる」と話す。
フランスで売られているお香は「中国やインドの品もあり、日本のお香を認識している人はまだ少ない」とセデスさん。「淡路島にお香がどう伝わり、今どう使われているか。商品の質の高さを含めて、視聴者に理解してもらいたい」と言葉に力を込めた。
もう一つのテーマは建築で、海外でも著名な建築家安藤忠雄さんが設計した複合施設「淡路夢舞台」(同市夢舞台)を訪問した。
放送は来春以降の予定。コーディネーターとして同行した、ひょうご観光本部(神戸市中央区)の担当者は「フランス語で土地の個性を意味する『テロワール』を感じてもらう旅を提唱している。番組が、欧州からゆったりと淡路島を訪ねる旅行者の増加につながってほしい」と楽しみにする。























