顕彰碑の前に集まった桂米朝さんの直弟子ら=30日午前、大阪市住吉区住吉2、住吉大社
顕彰碑の前に集まった桂米朝さんの直弟子ら=30日午前、大阪市住吉区住吉2、住吉大社

 今年が人間国宝の上方落語家、桂米朝さんの没後10年、生誕100年に当たるのを記念し、その功績をたたえる顕彰碑の除幕式が30日、大阪市住吉区の住吉大社であった。直弟子や関係者約20人が参加し、思い出を語り合った。

 米朝さんは現在の中国東北部・大連に生まれ姫路市で育ち、旧制姫路中学(現姫路西高校)を卒業。1947年に四代目桂米団治に入門し、三代目米朝を襲名した。戦後、消滅寸前だった上方落語の復興に尽力し、故笑福亭松鶴(六代目)、故桂文枝(五代目)、故桂春団治(三代目)と「上方落語の四天王」と称された。2015年に89歳で亡くなった。

 03年には住吉大社で初めて落語会を開き、同地が舞台の「住吉駕籠」を披露。顕彰碑には、その際に米朝さんが揮毫した「一期一会 桂米朝」の文字が刻まれた。息子の桂米団治さん(66)は「父が好きだった言葉。二度と同じ寄席はない、と常々言っていた」。孫弟子の桂南光さん(73)は「桂米朝を、これから先の人にも知ってもらえることが喜ばしい」と語った。

 命日の3月19日と翌20日に大阪・サンケイホールブリーゼで一門による落語会「米朝十年祭」がある。米朝さんが長く暮らした尼崎市の総合文化センターでは2月22~24日に記念落語会、同8日~3月23日に特別展「桂米朝 噺家の姿」が開かれる。(小尾絵生、津田和納)