今シリーズ屈指の名局を制す-。10日、将棋の「伊藤園お~いお茶杯第66期王位戦」(神戸新聞社主催)7番勝負の第6局に勝ち、6連覇を果たした藤井聡太王位(23)。絶体絶命に見えた最終盤、「唯一の勝ち筋」と言われた一手を放ち、挑戦者の永瀬拓矢九段(33)の攻めを振りほどいて栄冠をつかんだ。
両者得意の角換わり腰掛け銀の戦いとなった本局。今期、周到な作戦を見せてきた永瀬が6三銀(52手目)と新手を放ち、前例のない展開に。2日目は永瀬の封じ手6三銀(80手目)からスタート。永瀬は壁金の悪形をいとわず8六歩(84手目)と攻勢に出ると、2八角(90手目)から馬をつくり、8七飛成(110手目)と挟撃態勢を築いた。