日本ケミカルシューズ工業組合(神戸市長田区)が打ち出した靴の統一ブランド「神戸シューズ」。その高価格帯商品として、2018年に発表した「プレミアムライン」は、組合加盟の靴メーカー7社が製造を分担し、計728通りのパンプスを受注販売する。
サイズは0・25センチ刻み、つま先は丸形、角形、細形。素材はスエード、エナメル、滑らかなスムース。ヒールは3、5、7センチ。豊富な選択肢をそろえ、左右違うサイズでも購入できる。
誕生のきっかけは05年。「このままでは長田の靴づくりが空洞化してしまう」。強い危機感から、同組合前理事長の新井康夫(69)を中心に、業界の魅力を高め、再興する取り組みが始まった。
業界は当時、阪神・淡路大震災で組合の加盟数がほぼ半減。問屋やメーカーが、安い加工賃や製品を中国に求める動きが進んだ。