育成開始から2カ月目の苗木(兵庫県立農林水産技術総合センター提供)
育成開始から2カ月目の苗木(兵庫県立農林水産技術総合センター提供)

 兵庫県は、通常2年かかるイチジクの「接ぎ木苗」の育成期間を1年に短縮する技術を開発した。これまで順番にやっていた、根や土台となる「台木」の育成と、幹となる「穂木」の育成-を同時に行うことなどで期間が半分で済むという。さらに暖房設備のある加温ハウスを使って苗木を大きく育てる。県立農林水産技術総合センター(加西市)は、「育苗の短縮と労力低減のほか、高品質な苗に育つ画期的な技術」としている。

 同センターによると、イチジクは20年程度の老木になると収量が低下するため植え替えが必要になる場合がある。しかし、樹勢が低下した木を撤去し、その後に同じ品種のイチジクを植えると、収量が落ちる連作障害が起きる。接ぎ木はそれを避けるためで、土と接する台木には違う品種を使う。