竹チップを混ぜたハボタンの生育状況を確認する神戸学院大の菊川裕幸講師(右から2人目)と三浦一成さん(同3人目)、同大の学生たち=神戸市西区伊川谷町上脇
竹チップを混ぜたハボタンの生育状況を確認する神戸学院大の菊川裕幸講師(右から2人目)と三浦一成さん(同3人目)、同大の学生たち=神戸市西区伊川谷町上脇

 拡大する放置竹林の竹をチップに加工し、花き栽培に活用しようと、神戸学院大現代社会学部の菊川裕幸講師(35)と、神戸市西区の園芸農家でつくる伊川鉢物部会が実験を始めた。有効な活用策に乏しい竹に含まれる植物の養分に着目し、土に混ぜ込む割合などを探る。実験を重ねて栽培の安定化につなげ、環境に配慮した花などとしてのブランド化も視野に入れる。(三宅晃貴)

 神戸市農政計画課によると、管理者の高齢化や後継者不足から整備が行き届かないケースが続出。市内では近年、竹林が年約15ヘクタールのペースで増え、同課は面積は約千ヘクタールに広がっていると推計する。生い茂ると日光を遮り、他の植物が枯れる原因となるほか、放置されたタケノコを食べるイノシシによる周辺への獣害も出ている。枯れた竹も地下茎でつながっているため、降雨時に土砂崩れのリスクも指摘されている。