パソナグループのパビリオンに映し出された「ネオアトム」の映像(©Tezuka Productions)=2日午後、大阪・夢洲(撮影・丸山桃奈)
パソナグループのパビリオンに映し出された「ネオアトム」の映像(©Tezuka Productions)=2日午後、大阪・夢洲(撮影・丸山桃奈)

 総合人材サービスのパソナグループ(東京)は2日、大阪・関西万博に出展するパビリオン「パソナネイチャーバース」の完成式を大阪・夢洲の会場で開き、内部を報道陣に公開した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた心臓のミニチュアモデル「iPS心臓」を展示するほか、手塚治虫さんのキャラクター「鉄腕アトム」が登場するショートムービーを上映する。

 パビリオンのコンセプトは「いのち、ありがとう。」。医療や生命を巡る新たな科学技術の可能性を発信する。メイン展示の「iPS心臓」は全長3・5センチで実際の心臓とは異なるが、培養液の中で拍動する様子を見ることができる。

 パビリオンのエグゼクティブプロデューサーで心臓血管外科医の澤芳樹大阪大名誉教授は「動いている心臓は心臓外科医以外には見たことがないと思う。展示を通して『いのち』を感じてほしい」と話した。

 このほか、センサーが就寝中の身体の状況を把握してベッドの形状を変える「未来の眠り」や、自分の動きをロボットが再現する「未来のわたし」などの体験コーナーを設置。ショートムービーは、鉄腕アトムが天才外科医「ブラック・ジャック」の手で「ネオアトム」に生まれ変わるストーリーになっている。

 建物の外観は、アンモナイトのらせん形状で、万博終了後、淡路島に移設される予定。南部靖之代表は「今年はパソナ創業50周年。社業を通して、パビリオンで発信する世界の実現を目指したい」と語った。(西井由比子)