フランス上院の公聴会に出席するルーブル美術館のデカール館長(手前)=22日(ロイター=共同)
 フランス上院の公聴会に出席するルーブル美術館のデカール館長(手前)=22日(ロイター=共同)

 【パリ共同】パリのルーブル美術館から歴史的な宝飾品が奪われた事件で、デカール館長は22日、上院の公聴会に出席し、美術館の外側の監視カメラが不足していることを認めた。犯行の覚知の遅れにつながった可能性がある。フランスメディアによると、美術館は同日、事件後に休館となってから3日ぶりに一般公開を再開した。

 事件は19日に発生した。覆面をした容疑者らが開館後の午前9時半ごろに貨物用リフトを使って直接、展示室に侵入。かつての王族らの宝飾品などが所蔵されている「アポロンのギャラリー」からネックレスやイヤリングなど8点が奪われた。

 デカール氏は22日の公聴会で、事件発生時に警報装置は作動したものの、監視カメラが容疑者らの侵入経路を十分にカバーしていなかったと述べた。さらに美術館外側の監視には老朽化した数台のカメラが使われていたのみで「極めて不十分だった」と認めた。

 マクロン大統領は22日、美術館の安全対策を加速させるよう指示した。22日の美術館再開後もアポロンのギャラリーは閉鎖されたままだという。