県内大会の陸上女子100メートルで全国大会出場を決めた中山佳子さん=猪名川町原
県内大会の陸上女子100メートルで全国大会出場を決めた中山佳子さん=猪名川町原

 猪名川町立清陵中3年の中山佳子さん(15)が22日と来月、陸上女子短距離と女子ラグビーの二つの競技でいずれも全国大会に挑む。県中学校総合体育大会では、昨年に続いて女子100メートル走でV2を達成。小学生で始めた女子ラグビーは、昨年から県選抜に選ばれ、快足ウイングとして活躍を誓う。「どちらも悔いのないよう力を出し切りたい」。小柄な「二刀流」アスリートは練習を掛け持ちし、準備に余念がない。(小林良多)

身長151センチ、持ち前のバネで躍動 「悔いのないよう出し切る」

 中山さんは最初、ラグビーに熱中した。ワールドカップの日本開催で桜のジャージーが注目を集める様子をテレビで観戦。勝利をたぐり寄せるチームワークに憧れを抱き、小学4年から双子の弟侑大(ゆうた)さん(15)と川西市内のチームに通うようになった。

 走るのが好きだった。運動会のリレーでは侑大さんとのアンカー対決で盛り上げた。中学に進学すると陸上部に入部。指導してきた千葉舞教諭は「仮入部の時からフォームが完成されていて驚いた」と振り返る。

 1年生で阪神中学総体の学年新記録を打ち出した。近畿大会まで進んだが、他府県の選手のスピードを目の当たりにして競争心に火が付いた。2年生で初めて全国中学校体育大会に出場したが、結果は18位で決勝には進めなかった。「走りの内容はまずまず。でも気持ちがふわふわしていつの間にか終わっていた」と精神面の課題を実感した。

 ラグビーは中学進学後、宝塚市が拠点の女子チーム「マーメイズ兵庫ガールズラグビークラブ」に加入。俊足を生かしたウイングが定位置で、2年生で県選抜チームに呼ばれた。

 ラグビーで鍛えた脚力は陸上競技にも生きた。ディフェンスをかわす動きを繰り返し練習する中で身に付き、レース中盤の加速につながった。身長151センチと小柄なため、ストライド(歩幅)では不利だが、脚の回転と持ち前のバネが速さを生む。坂道を全速力で下る特訓を課して強みを磨いてきた。

 今年は部活動の地域移行に伴い、練習日が前年の週5日から3日に減り記録は伸び悩んだが、6月末の全日本中学校通信県大会で12秒21と自己ベストをマーク。念願だった全国の切符を手にした。県中学総体でも優勝を果たし、猪名川町の選手としては初めて連覇を果たした。

 陸上とラグビーの二刀流に挑む中山さんには心強い応援団がいる。理学療法士の父昇平さん(49)と管理栄養士の母恭子さん(47)。試合が近づくと昇平さんは全身のストレッチを毎日手伝い、恭子さんは食事面でサポートする。専属トレーナーのような両親の存在を「むちゃくちゃ大きい」と感謝する。

 今年のラグビー県選抜チームは粒ぞろいだといい、全国優勝を目標に掲げる。もちろん短距離走への意気込みも負けていない。今年で陸上競技に区切りを付け、高校はラグビーに絞るといい、中山さんは「陸上は自分との闘い。失敗を恐れないメンタル面も鍛えてきた。力を出し切って決勝に進みたい」と雪辱を期す。