弥生時代から古墳時代にかけての竪穴建物跡が見つかった関ノ口遺跡=姫路市網干区和久
弥生時代から古墳時代にかけての竪穴建物跡が見つかった関ノ口遺跡=姫路市網干区和久

 兵庫県姫路市埋蔵文化財センターは10日、同市網干区和久の関ノ口遺跡で、弥生時代後期(1世紀中頃~3世紀中頃)から古墳時代初期(3世紀後半)にかけての竪穴建物跡4棟などが見つかったと発表した。狭い範囲でまとまって確認され、同じ場所で建物を建て替えながら生活し続けたことがうかがえる。13日には一般向けの現地説明会も開く。

 遺跡の場所は、JR網干駅の北側。区画整理に伴い、2016年度から発掘調査を進めてきており、埋没古墳や縄文土器なども見つかっている。

 今回は遺跡中心部の131平方メートルで調査。弥生時代や古墳時代の竪穴建物跡4棟が発掘され、内部には焼けた土や炭といった生活の痕跡も残っている。18リットルのコンテナ約30箱分が見つかった今回の出土品の中には、山陰地方の土器や香川県のサヌカイト製の錐もあり、他地域との交流をうかがわせる。

 遺跡があるのは、周囲に川や海が広がっていた豊かな地域だという。調査を担った同センター技師の河本愛輝さん(28)は「長期にわたり住み続けたくなる、安定した土地だと分かる」と話した。

 説明会は午後1時半から。小雨決行。同センターTEL079・252・3950

(森下陽介)