身体の健康美を競う「ベストボディ・ジャパン2023日本大会」で、兵庫県西脇市の会社員磯江亜紀子さん(50)が50代女性の「クイーンクラス」でグランプリに輝いた。磯江さんは友人に誘われて6年ほど前にジム通いを始め、めきめきと実力を伸ばした。現在は週に4回は通わないと落ち着かないといい、「今回は納得いく体が作れた」と満足げに話す。(伊田雄馬)
大会はベストボディ・ジャパン協会が主催し、地方大会で上位の成績を残した選手が日本大会に駒を進める。磯江さんが出場した「ベストボディ・ジャパン部門」では、引き締まった身体やバランスの取れたスタイル、ステージ上でのポージングや知性、品格などが総合的に問われる。
磯江さんが市内のジム「ナレオ」の門をたたいたのは約6年前。積極的に大会へ出場していた友人に誘われたのがきっかけだった。
ジムのオーナー寺川雅佳さん(63)は「骨格が素晴らしい」と一目で素質を感じ取ったという。だが磯江さんは、もともと運動が大の苦手。「通い出してすぐの頃は、1度来たら1カ月休む感じ」で、口癖は「しんどい」だった。
転機は自分を誘ってくれた友人が、45歳の若さでこの世を去ったこと。寺川さんが「友人が乗り移ったのかと思った」と言うほどの集中力で体を鍛えた。入会後1年で大会に初出場。いきなり日本大会に進み、5位以内に入る活躍を見せた。
今大会は特に手応えがあったという。磯江さんは「筋肉が付きにくい方だが、トレーニングで負荷を掛け、下半身をしっかり追い込めた」と振り返る。
ステージ上での立ち振る舞いを身に付けるため、ヒールを履いてのウオーキングも特訓。茜が丘複合施設みらいえで、鏡を見ながら練習を重ねた。「グランプリが目標だったので、取れてよかった」と胸をなで下ろす。
寺川さんも日本大会に出場し、モデル部門の60歳以上男性クラスでトップ10に入った。だが、自身の健闘以上に磯江さんのグランプリを喜ぶ。「会員からグランプリを出すのが、ジムの設立当初からの目標だった。磯江さんには経験を生かし、他の会員をサポートしてほしい」と期待する。