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日光浴する「亀楽園」のカメたち=神戸市須磨区若宮町1、須磨海浜水族園(撮影・秋山亮太)
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日光浴する「亀楽園」のカメたち=神戸市須磨区若宮町1、須磨海浜水族園(撮影・秋山亮太)

 神戸市須磨区の須磨海浜水族園、スマスイ言うんやけど、ワシはそこの「世界のさかな館」に住んどる。鼻が長い淡水魚「ロングノーズガー」じゃ。生まれも育ちもスマスイ。1977年生まれじゃから…今は43歳。誕生日は3月1日で、もうすぐ44歳になる。人間やったら働き盛りやけど超高齢魚なんじゃ。2014年から世界最高齢の記録を更新し続けとる。なんで今回ワシが出てきたかっていうとな、今のままのスマスイが2月末で終わるんじゃ。本館だけは2年後の5月までやねんけど、イルカライブ館やラッコ館、レストラン、ワシが住んどる世界のさかな館とか、東側にある15施設を取り壊して新しく整備するんじゃて。さびしいのぅ。

     ◇     ◇

■生態系保護を、ここから訴えたんじゃ

 この連載もあと2回じゃ。切ない気持ちになるのぅ。

 「亀楽園(きらくえん)」は知っとぉか。筆で書いたような字体の表札が付いとって、ミシシッピアカミミガメがすんどる。ワシがおる「世界のさかな館」に負けじと地味じゃが、人間社会に影響を与えたすごい施設なんじゃで。

 カメザキゆう園長がおってな(亀崎直樹元園長)。名前でややこしいが人間なんじゃ。このカメ園長の呼び掛けで10年前に開設した。

 ペット用として日本に来た外来種が、人間の都合で自然界に放り出された。数が増えて、日本固有の生き物がすめんようなる問題が起きたんじゃ。カメ界では元々おったニホンイシガメが減って、駆除対象になったんがアカミミガメじゃ。ワシ、人ごとのように言うとぉけど、園から出たら外来種じゃあ(ひやり)。ここにおれて助かったわ。

 野外で捕獲したアカミミガメを持ち込んだら入園料をタダにする取り組みもしとった。3年で千匹以上を集めたらしいぞ。当時「うじゃうじゃしてる…」ってお客さんの悲鳴に似た声が聞こえたわ。

 密すぎて、一時はウイルスがまん延したんじゃで。感染対策で、ここ5年は受け入れる数を絞っとるらしい。ピークの10分の1とか。はやりの「ソーシャルディスタンス」じゃな。

 新施設で亀楽園がどうなるかはまだ言えんらしいが、ババさん(馬場宏治・飼育支配人)は「ある程度の役目は果たせたかな」言うとった。最近は神戸市と明石市、環境省が連携して、防除活動をやっとる。丹波篠山市には回収ポストができた。亀楽園のおかげで、外来種の問題とか、自然保護の大切さが世に伝わったんじゃ。形はどうなれど、意思は引き継がれたり、じゃ。(小谷千穂)

【バックナンバー】

(7)アマゾン館など

(6)震災

(5)スマイルカ焼き

(4)イルカライブ館

(3)ラッコ館

(2)世界のさかな館

(1)まずは自己紹介

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