湯女「まき」をモチーフとしたタイル画=御所坊
湯女「まき」をモチーフとしたタイル画=御所坊

■今も昔も、湯の力信じる人々

 日本三古湯として知られる有馬温泉(北区有馬町)は、奈良時代の高僧・行基(668~749年)が、病人のふりをして彼に助けを求めた薬師如来との縁で開湯し、温泉寺も建立したとされる。健康に良いとされる風呂と仏教信仰とが結びつき歴史を刻んできた日本屈指の名湯が、昨今のインバウンド(訪日客)事情で大きく変化している。

 「今は京都に行っても人だらけと、有馬温泉は実は人気スポットなんです」と話すのは1191年創業の老舗旅館「御所坊」15代目で、有馬温泉観光協会の金井啓修会長。宿泊客はインバウンドが6割を占め、そのうち4割がアジア系、2割が欧米系だという。