「ふね泊」を導入したカーフェリー「あおい」=神戸市中央区新港町

 夜、神戸港を出る船に乗って一晩過ごし、翌朝戻ってきた同港でチェックアウトする。神戸-高松間の定期船をホテル代わりに使うジャンボフェリー(神戸市中央区)のサービスが、じわり人気を呼んでいる。空きが目立っていた個室を使い、今年2月に始めた「ふね泊」。料金は片道乗船分のみで、神戸の一般的なホテルより安く泊まれる上、非日常を楽しめると評判という。(大島光貴)

 港を出るのは午後7時台。5時間弱で高松に到着後、利用客は下りることなく船内にとどまれる。約1時間後に出港し、神戸に午前5時台に着いても、同7時まで滞在が可能だ。

「ふね泊」で一番人気というバルコニー付き個室。ビーズソファを備える=神戸市中央区新港町

6人まで泊まれるファミリー用個室=神戸市中央区新港町

 使う船は、2022年秋に就航した同社最新のカーフェリー「あおい」。バルコニー付きなど3種類、最大22の個室を宿泊用に提供する。船外の景色を見ながら入れる展望風呂や足湯、キッズスペースやカフェラウンジを備える。屋上やデッキから神戸の夜景やライトアップされた明石海峡大橋を楽しめ、売店では讃岐うどんや生ビール、ジェラートなどを味わえる。

外を眺められる足湯。夜には湯が青く光る=神戸市中央区新港町