日本のエースライダーとして世界グランプリに参戦していた当時の平忠彦さん=1987年、スペイン・ヘレスサーキット(写真提供:ライディングスポーツ)

日本のエースライダーとして世界グランプリに参戦していた当時の平忠彦さん=1987年、スペイン・ヘレスサーキット(写真提供:ライディングスポーツ)

 50~60代になってバイクに回帰する「リターンライダー」が青春時代を過ごしたころ、日本は空前のバイクブームだった。国内外のレースを制した「伝説のライダー」で、当時の若者にとって憧れの存在だった平忠彦さん(67)は「オートバイは自由な乗り物。楽しみ方が広まってほしい」とリターンライダーに声援を送る一方、陥りがちな失敗もあると語る。(聞き手・山岸洋介)

 ■背伸びは禁物

 -現在はオートバイを販売する立場ですね。

 「お客さんには、自分のライディングスキルと年齢、それと家庭環境に応じたオートバイを選んで乗ることがすごく大事だと伝えています」

 -家庭環境とは、どういうことでしょう。