古代から日本で染料として使用されてきたつる性植物の「ニホンアカネ」。代替染料の普及で衰退し、「幻の染料」と呼ばれていたが、三田市立けやき台中学校2年の坂元眞陽(まひろ)さん(13)と両親が、同市高平地区で自生地を見つけ、約2年前から栽培している。ニホンアカネを学ぶワークショップを企画したり、眞陽さんが和紙を染めて作った「金魚ちょうちん」が大阪・関西万博で展示されるなど、家族の挑戦は注目を集めている。(尾仲由莉)
ニホンアカネの赤い根を煮出して作る染料は、布などを黄や赤に染める。眞陽さんと母聡子さん(54)、父法久さん(56)がニホンアカネに出合ったのは2023年。草木染に興味を持っていた眞陽さんのため、「藍」を育てようと高平地区の土地を借り、そこに自生するニホンアカネを見つけた。
一家は、インターネットで調べた一般社団法人「日本アカネ再生機構」に連絡を取った。同機構は21年に設立し、ニホンアカネを研究したり、栽培したりしてきた。