のじぎく賞を受け取った(右から)小川洋一郎さん、松尾侑磨さん、中村泰宏さん(たつの署提供)
のじぎく賞を受け取った(右から)小川洋一郎さん、松尾侑磨さん、中村泰宏さん(たつの署提供)

 揖保川に架かる龍野新大橋(兵庫県たつの市龍野町)から飛び降りようとしていた若い女性を保護したとして、たつの署は、龍野高3年の松尾侑磨さん(18)=たつの市=と自営業の小川洋一郎さん(61)=同市、会社員の中村泰宏さん(63)=姫路市=に、県の善行賞「のじぎく賞」を伝達した。3人は「とにかく、女性が無事でよかった」と話していた。

 同署などによると、5月21日午後1時ごろ、松尾さんが中間テストのため、通常より早めに自転車で下校していたところ、同橋の欄干の上にしゃがみ込んでいる若い女性を発見した。松尾さんは一度は通り過ぎたが、女性が泣いているのが見え、様子がおかしいと思って引き返したという。

 そっと近づくと、女性が「死ぬしかない」などとつぶやいていたため、松尾さんは、「女性は飛び降りる気かもしれない」と思い、橋を通行する車に手を振って助けを求めた。

 車で通りかかった小川さんと中村さんが相次いで松尾さんに気付き、車を止めて現場に駆けつけた。2人が女性を手すりから下ろして保護し、その間に松尾さんが110番通報した。

 松尾さんは「2人が来てくれるまでの1、2分間がものすごく長く感じたが、助けることができて安心した」と振り返っていた。

(西竹唯太朗)