大阪・関西万博(大阪市)の会場に、兵庫県神崎郡福崎町の「キモかわいい」キャラクター、カッパのガジロウが現れた。町出身の民俗学者で、今年生誕150年を迎えた柳田国男を世界に発信しようと、パフォーマンス集団「OsakaMasters(オオサカマスターズ)」(大阪市)に臨時入団し、舞台に立った。妖怪や日本文化がテーマの演劇サーカスで、10月25日には福崎町でも公演を予定する。(辰巳直之、喜田美咲)
■柳田国男生誕150年、「妖怪のまち」世界に発信
オオサカマスターズは世界で活躍するダンスやアクロバットなどのパフォーマーでつくり、関西を拠点に活動する。福崎町の和太鼓チーム「和楽」の指導者と交流があったことなどから、同町で和楽との共演が決まった。ガジロウは10月の告知も兼ねて6日にあった万博での公演に出演した。
「何かようかい」という演目で、主人公の男の子が天狗(てんぐ)やあかなめ、蜘蛛(くも)女など個性豊かな妖怪と出会い、日本の昔ながらの遊びや文化を体験する物語。舞台では、色彩豊かな衣装に身を包んだ妖怪が躍動感のあるダンスのほか、ジャグリングやダブルダッチ(縄跳び)の技を繰り広げた。
ガジロウは、主人公が挑戦する皿回しの皿を持って登場した。ギターが特技というプロフィルが披露されると、会場から笑いと拍手が起こった。福崎町も「妖怪のまち」として紹介された。
昼公演には、家族連れら約270人が来場。名古屋市から訪れた会社員、森智基さん(49)は「ガジロウも福崎町も初めて知った。ガジロウは気持ち悪いキャラクターにインパクトがあるし、福崎町にもいつか行ってみたい」と興味を持っていた。
同町では10月25日にエルデホール周辺で開く「福崎秋まつり」で上演。その後、出演者は神戸医療未来大学(福崎町高岡)の文化祭前夜祭で仮装した学生らと連なって歩く「百鬼夜行」に参加する予定。同町地域振興課TEL0790・22・0560