火災があった山陽自動車道尼子山トンネル(奥)の実況見分に向かう兵庫県警の捜査員ら=11日午前、相生市の山陽自動車道
火災があった山陽自動車道尼子山トンネル(奥)の実況見分に向かう兵庫県警の捜査員ら=11日午前、相生市の山陽自動車道

 兵庫県相生市と赤穂市にまたがる山陽自動車道尼子山トンネル(全長約600メートル)の西行き車線で5日未明に発生し、トラックなど計23台が焼けた車両火災で、兵庫県警高速隊は11日午前、現場の実況見分を始めた。出火元とされるトラックやその周辺の状況を詳しく確認し、原因を調べる。

 この火災で、山陽道播磨ジャンクション-赤穂インターチェンジ間では上下線で通行止めが継続。西日本高速道路会社によると、トンネルが分かれている反対車線の東行きについては11日中に通行止めを解除できる見通しだが、西行きはめどが立っていない。

 高速隊によると、火災は5日午前1時ごろに発生した。トンネル内を走行中のトラックから出火し、追い越そうとした後続車計9台が絡む衝突事故で4人が重軽傷を負ったほか、避難の途中で煙を吸った4人が軽症と診断された。

 トンネル内は煙が立ち込め、数百度の高温になるなどして消火活動が難航。火が消えるまで約40時間を要し、計23台が焼損した。

 さらに、延焼によって天井板の一部が落下し、一酸化炭素の濃度が上昇した。内部を詳しく確認できない状態が続いていたが、発生から6日が経過し、県警などは一定の安全性が確保できたと判断。11日午前10時半ごろから捜査員らがトンネルに入り、車両の焼損状況などを確かめた。