家族4人の思い出。大鳥居裕美子さん(左)がほほ笑む。右は慎司さん=1993年6月、加西市の兵庫県立フラワーセンター(慎司さん提供)
家族4人の思い出。大鳥居裕美子さん(左)がほほ笑む。右は慎司さん=1993年6月、加西市の兵庫県立フラワーセンター(慎司さん提供)

 大阪・弁天町にあった交通科学博物館に出かけたのは、あの日の「前の日」だった。家族4人がそろう最後の思い出になるとは、考えもしなかった。

 大鳥居裕美子さん=当時(32)=は、当時4歳の長男、同2歳の長女を後ろから抱いて、夫のカメラに向かってほほ笑んだ。

 「寒かったけど、楽しかった」。祝日の振り替え休日だった1995年1月16日を、夫の慎司さん(66)は振り返る。神戸市東灘区魚崎北町の自宅で、川の字になって眠りについた。