兵庫県の元西播磨県民局長が作成した文書問題について、定例会見で記者の質問に答える斎藤元彦知事=5日午後、兵庫県庁
兵庫県の元西播磨県民局長が作成した文書問題について、定例会見で記者の質問に答える斎藤元彦知事=5日午後、兵庫県庁

 兵庫県の元西播磨県民局長が斎藤元彦知事らを批判した文書を巡る問題で、地方自治法に基づく県議会の調査特別委員会(百条委員会)設置に向けてかじを切った最大会派の自民党県議団(36人)。知事に不信感を募らせる議員が増え、百条委の提案には、会派を二分する激論が交わされていた。設置の行方は不透明だが、2カ月に及ぶ文書問題は、来年夏の知事選に影響しかねない事態となっている。

 「今日、決めると明言してください!」

 4日夕方、自民の議員団総会。中堅議員が執行部に対して声を荒らげた。

 県議は3年前の知事選で、斎藤知事を支援するため、自民会派を一時離脱した一人。百条委を設置し、元県民局長の文書内容を再調査するよう主張していた。

 議場で知事や幹部職員らを尋問する百条委に賛同することは、自民が支えてきた斎藤県政の否定につながるとの見方は強い。

 「知事が第三者機関を設置すると言っている。調査結果を待たずして百条委まで必要なのか」「県民の疑惑を払拭するために早期の真相解明が必要だ」

 総会は午後3時から百条委提案の賛否が議題となり、休憩を挟んだ激しい議論の末、午後6時前に終了した。北野実幹事長は報道陣に「今日は話す心境ではない」と疲れた表情で語り、「提案が決まったと聞いたが」と問われると「そう言いました」とつぶやいた。

■来夏の選挙に影響も