雨雲が広がり、辺りが暗くなった神戸市内=28日午後、神戸市中央区東川崎町1から(撮影・笠原次郎)
雨雲が広がり、辺りが暗くなった神戸市内=28日午後、神戸市中央区東川崎町1から(撮影・笠原次郎)

 非常に強い勢力に発達した台風10号について、神戸地方気象台は28日、予報円の中心を通った場合、兵庫県には31日夜から9月1日未明に最接近する見通しを示した。台風は太平洋高気圧の西への張り出しが弱まるにつれて東に動く見込みだが、その速さは人がランニングする程度。「ノロノロ台風」により、雨や風の影響が長引く恐れがある。

 28日午後2時の発表によると、兵庫県内は最接近時でも風速25メートル以上の暴風域には入らない見通しとなったが、県南部の沿岸部を中心に非常に強い風が吹く恐れがある。

 台風が四国から紀伊半島付近を通過する31日~9月1日の速さは、時速15キロや10キロ未満で、ほぼランニング並み。風速15メートル以上の強風域には、県南部は30日昼前から9月2日明け方、県北部は30日夕方から2日明け方まで丸2日以上にわたって入る見通し。高潮や高波にも警戒が必要だ。

 台風の影響により暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定になっており、局地的に雨雲が発達するという。27日夜には兵庫県佐用町付近で1時間に約110ミリの雨を観測したとして「記録的短時間大雨情報」が出された。同気象台は「台風が通過するまでは、いつこのような現象が起きてもおかしくない」としている。

(上田勇紀)