兵庫県の斎藤元彦知事らの告発文書問題を巡り、斎藤知事に対する不信任決議案が提出される見通しの県議会9月定例会が19日、始まった。
【午後5時45分】
斎藤知事は報道各社の取材に応じ、自身に対する不信任決議案が可決されたことへの対応について「先ほど可決されたばかりなので申し上げることはできないが、しっかり考えて決断したい」と述べた。
県議会を解散するか問われると「県政にとっても大事な局面になる。どういう判断になるか、決めるにも一定の覚悟と自分自身の判断が必要なので、しっかり考えていく」と答えるにとどめた。
不信任決議案が全会一致で可決されたことに対しては、「(告発文書問題について)法的内容を含めてきちっとやってきた面はあると思っているが、こういう状況になった結果責任は負わないといけないと思っている」。採決を巡っては「各議員には、議論もあったが、県政の運営に協力していただいた。そういう中で厳しい判断をされたと思うので、思いを受け止めなくてはいけない。感謝の気持ちしかない」と話した。
また、自身が県政を進めていく気持ちは「今も変わりない。これまで改革を進め、新しい時代に向けた取り組みを自分なりにしてきた。それを続けていくことが私の大事な思い」と、従来の説明を繰り返した。
【午後5時34分】
全議員86人の投票が終了し、開票。不信任決議案への賛成が86票、全会一致で可決された。
【午後5時25分】
斎藤知事に対する不信任決議案に対する採決へ、手続きが始まる。議場が閉鎖され、開票立会人を指名、投票札が配布された。
【午後4時25分】
斎藤知事に対する不信任決議案に、全5会派の代表と無所属議員2人が全員、賛成の立場で討論した。
維新の会・徳安淳子議員「投票してくれた方におわびを示し、よい県政を進めていく考えなら、将来のある知事自身のためにも県民に信を問うことこそ近道で、県民のためでもある。県政の改革をさせてほしいと謙虚に思うなら、責任をとって辞職し、出直し選をすべきだが、そのことが見られないので信任できない。失職を免れない現実を冷静に直視いただきたい」
公明党・越田浩矢議員「県政の混乱を一刻も早く収め、物価対策や人手不足対策などの課題解決に向けた予算編成作業をスムーズに進めることが大事。知事が辞職されずに9月定例会の開会を迎えたことから、一致団結して、不信任決議案を提出し、可決しようとするものだ。文書問題への対応が適切と考えるなら、再び出馬して県民の信任を得るべきだ」
ひょうご県民連合・迎山志保議員「一連の問題の結果責任を辞職で取るべきだが、全県議86人が辞職要求に込めた思いや趣旨は理解いただけず、今に至っている。知事不信任案の成立は4例しかなく、極めて異常な事態。不信任決議は議会の責任を果たそうとするもので、知事は職を辞すことで県民の信頼や期待を裏切ったことの責任と、未来への責任を果たすことを強く望む」
共産党・庄本悦子議員「元西播磨県民局長の告発文書について、初動から対応に間違いを犯した。告発者捜しも元県民局長への処分も、違法に違法を重ねたもの。県政の混乱を招いた責任を取り、知事に辞職を強く求める見解を表明してきた。県民の負託を受けた議員全員の総意、すなわち県民の総意として、不信任決議案に賛成を表明し、直ちに辞職することを求める」
無所属・石井秀武議員「知事の心の強さのルーツは、おじいさまにあるように思われる。先見の明をもって、地域の発展に寄与された方で、新たな県政を進める姿は重なり合うが、進め方に問題がある。県政改革や告発文書問題への対応には、戦略的展開が見られず人権意識も欠けている。おじいさまに教えを受けた一人として、今の県政をどのように憂いているか、お伺いしたい気持ちだ」
無所属・丸尾牧議員「告発文書について、今も誹謗(ひぼう)中傷性が高い文書と言い続けており、元西播磨県民局長の名誉を毀損(きそん)し続けている。告発文書は真実相当性があり、公益通報として取り扱うべきだったと明確に言える。元西播磨県民局長の処分撤回と遺族への謝罪が必要だ。知事には道義的責任だけでなく、法的責任が間違いなくある。職を辞していただくしか選択肢はない」
【午後4時16分】
不信任決議案の提出理由として、自民の戸井田祐輔議員は「文書問題調査特別委員会の中で、文書が『うそ八百』ではなく、告発者捜しや情報漏えいの疑いを指摘されるなど、不適切と言わざるを得ないことが明らかになったにもかかわらず、斎藤知事は県の対応は適切であったとする従来の考えを変えることなく、かたくなな姿勢を取り続けている。告発者の命が失われた事実は大変重い。証人尋問での『道義的責任が何か分からない』との発言からは、知事としての資質を欠いていると断じざるを得ない。組織のトップとして、政治家として事態の収拾に努めなければならない責任があったはず。信頼回復は到底見込めず、これ以上県政を担い続けることは不可能と考える。いまもって知事の職にとどまろうとする姿勢に、批判が殺到し、県職員が疲弊している。知事に県民の声は、職員の悲鳴は届いているでしょうか。責任は重く、これ以上の県政の停滞と混乱、県益の損失は許されない。県民本位の健全な県政と、職員が安心して働ける職場を一日も早く回復し、来年度予算は新たに信任を得た知事の下で編成されるべき。斎藤知事に要職を任せることはできない。議員の総意をもって、議会の使命を果たし、県民のための県政を直ちに取り戻す」と述べた。
【午後4時15分】
斎藤知事に対する不信任決議案提出の動議について、議会運営委員会で取り扱いなどの協議を終え、本会議が再開。斎藤知事に対する不信任決議案が提出された。
【午後3時18分】
斎藤知事に対する不信任決議案提出の動議が、自民党会派から出され、議事に追加。本会議は休憩に入った。
【午後3時】
県議会9月定例会の本会議が再開し、補正予算案の採決などが行われた。
【午後0時半】
各会派の質疑が終了し、休憩に入った。
【午前11時30分】
斎藤知事からの提出議案の説明後、各会派の質疑が行われた。
【午前11時13分】
斎藤知事が提出議案の説明に先立ち、告発文書問題について発言。「多くの県民に心配をかけていることを心よりおわび申し上げる。県政を刷新し新しい道を切り開いていくことが私の責務であるとの思いから、知事就任以降、改革を進めながら兵庫の未来のために何が大切なのかを常に考え、新たな施策に全身全霊を注いできた。しかし、その過程で言行などに厳しい指摘をいただいている。県民への説明責任を果たし、改めるべき点をしっかり受け止め、日々の仕事に生かしていくことが県政を前に進めていく上で大切だと考えている。信頼回復に向けて最大限の努力を重ねている」と述べた。
【午前11時】
県議会9月定例会本会議が開会し、浜田知昭議長があいさつ。県政は「混迷の度を深め、厳しい状況にある」とし、「信頼を得られる県政を取り戻すことはわれわれ議会の責任である。県民にとって最善となる判断をたまわりますよう望む」と述べた。