経済産業省は12日、先端半導体の技術開発拠点を北海道千歳市に新設すると発表した。次世代半導体の国産化を目指すラピダスの工場に近接する形で、日本が強みを持つ製造装置や素材といった関連分野の研究を企業や大学の連携により加速させる狙い。2029年度の稼働開始を目指す。赤沢亮正経済産業相が12日の閣議後記者会見で明らかにした。
産業技術総合研究所(産総研)の拠点として設置し、高性能の半導体露光装置を導入する。海外企業との連携も視野に入れる。赤沢氏は「半導体の需要が世界的に高まっており、研究開発を促進する」と述べた。
露光装置は半導体の製造工程で、回路パターンをシリコンウエハーに転写する精密機器。半導体の微細化に欠かせないが、高コスト化も進んでいる。国が研究環境を整備し、産学の共同開発を後押しする構えだ。
ラピダスは米IBMの技術協力を得て、世界で商用例のない回路線幅が2ナノメートル(ナノは10億分の1)相当の先端半導体の量産を27年度後半に始める予定。その後2~3年ごとに、より高性能な製品の量産を計画する。
























