阪神・淡路大震災から来年で30年となるのを前に、体験者から学ぶ「第3回こども震災学校」が12日、神戸市須磨区の千歳公園などであった。千歳地区で被災し、20歳の次男秀光さんを亡くした崔敏夫さん(83)と、芦屋市の自宅が全壊し、小学校教諭として避難所運営に当たった田村勝太郎さん(82)が経験を伝えた。
神戸新聞社が「語り部KOBE1995」と連携し4月から開いている。今回は千歳地区連合自治会が協力し、小学生ら8人と保護者ら計約20人が参加した。
子どもたちは千歳公園の震災モニュメント「千歳復興の礎」や防災倉庫を見学。震災で9割の住宅が倒壊・焼失し、47人が亡くなった地域の歩みを知った。
隣接する地区センターでは、崔さんが「まさかあんな地震が起こるとは夢にも思わなかった」と1995年1月17日の状況を説明。「大災害ではレスキュー隊は間に合わない。地域の助け合いが大事」と強調し、「命を守るために震災を知ってほしい」と語った。
田村さんは勤務先だった神戸市兵庫区の小学校で、在校生が避難者のために喫茶や歌を披露するボランティアに励んだことを紹介。「(災害時には)君たちにもできることがある」と呼びかけた。同市北区の大池小5年古林このみさん(10)は「地震はいつ起こるか分からない。いざという時にどう行動したらいいか、家族や友だちと話し合いたい」と受け止めていた。
第4回は来年2月1日、神戸新聞社(同市中央区)で開く。(上田勇紀、名倉あかり)