「長田ボランティアルーム」の日々を振り返る斎藤潤さん=神奈川県逗子市
「長田ボランティアルーム」の日々を振り返る斎藤潤さん=神奈川県逗子市

 まちが炎にのまれ、もうもうと黒煙が上がる。テレビから流れる神戸市長田区の映像は全国に衝撃を与えた。阪神・淡路大震災で、多くのボランティアがまず目指したのが長田だった。

 神奈川県逗子市のフリーライター斎藤潤さん(60)もその一人だ。斎藤さんは地震の1週間後、バイクで駆けつける。軒を連ねたケミカルシューズの零細工場が焼け、化学品も混ざり合った強烈なにおいが鼻を突く。ヘルメットを脱いだ途端、吐いた。