仕事上の強いストレスに伴う精神疾患などを原因とする労災申請が増加しているのを受け、過労死等防止対策推進法(過労死防止法)の成立に尽力した兵庫県の遺族が再び声を上げている。「息子を失った絶望を、誰にも繰り返してほしくない」。同法施行から10年余り。事業主の過労死防止対策の義務化など、国に同法の見直しを働きかけている。(千葉翔大)
■「働く人はみんな『死』と隣り合わせなのか」
「いまだに身を引き裂かれるような思いを感じている遺族がいる。これはおかしいし、絶対に納得できない」。西垣迪世さん(80)=神戸市=は怒気をにじませた。