自身の給与を減額する条例改正案などの提案説明を行う斎藤元彦知事=6日午前、神戸市中央区下山手通4、兵庫県公館(撮影・笠原次郎)
自身の給与を減額する条例改正案などの提案説明を行う斎藤元彦知事=6日午前、神戸市中央区下山手通4、兵庫県公館(撮影・笠原次郎)

 兵庫県の斎藤元彦知事らへの告発文を作成した元西播磨県民局長(故人)の私的情報が漏えいした問題を受け、斎藤知事は6日、給与カットの割合を現行の30%から20%引き上げて3カ月間、50%とする条例改正案を県議会に提出した。だが、県議会は「問題の真相が解明されていない」との意見が多く、継続審議とする考えが浮上。6月定例会中の採決は見送られる可能性が高まっている。

 元県民局長の私的情報漏えいを巡っては、県の二つの第三者調査委員会が報告書を公表。昨年11月以降に交流サイト(SNS)で拡散されたデータなどの漏えい者は特定できなかったが「県職員から漏えいした可能性が高い」と結論付けた。

 一方、週刊文春が昨年7月に報じていた井ノ本知明前総務部長による県議への漏えいも認定。その背景として「斎藤知事や片山安孝元副知事の指示による可能性が高い」と指摘した。

 条例改正案では、斎藤知事が1期目の2021年11月分から継続している給与の30%カットについて、7月~9月は20%上乗せして給与を月額67万円にすると規定。3カ月間の追加カットの総額は約80万円となる。服部洋平副知事も現行15%のカット幅を25%とする。

 斎藤知事は6日の県議会本会議で自身の情報漏えいへの関与を改めて否定した上で、「組織の長としての責任を重く受け止め、自らの身を処して信頼回復に努めていく」と話した。

 条例改正案は総務常任委員会に付託され、定例会最終日の12日に本会議で採決される予定だが、県議会最大会派の自民党や、第3会派の公明党から「(情報漏えいの)事実関係がはっきりしない」などと不満の声が上がり、継続審議とする方向で調整が進んでいる。