神戸市中央区のマンションで20日夜、住人の会社員片山恵さん(24)が刺されて死亡した事件を受け、神戸市は都心部の防犯カメラを100台増設する方針を固めた。あわせて事件発生時の兵庫県警への映像提供を迅速化するため、専用システムも整備する。
市によると、今回の事件直後、市が設置するカメラの映像について県警から提供依頼があり、実際に複数の映像をつなぐ「リレー方式」の捜査に活用されたという。
今回の事件を受け、都市部に住む住民の不安が高まっていることから、三宮を中心に100台の増設方針を決めた。設置場所は県警と相談して決めるという。
一方、映像を提供するには県警から「捜査関係事項照会書」の提出を受ける必要がある。これまでは電話でのやりとり後にファクスで送ってもらい、後に原本を受け取る手順だったが、よりスムーズに映像提供ができるようシステム化を目指す。照会書の画像データを専用回線で送受信する仕組みが有力という。
市は犯罪予防や体感治安の向上に向け、2024年度までに主要駅周辺や通学路などに市のカメラを3千台設置しており、さらに26年度までに5400台に増設する計画を立てていた。
100台の増設費用などについては、9月2日開会の市会本会議に提出する補正予算案に計6500万円を盛り込んだ。(井沢泰斗)