沖縄、広島から神戸へ。終戦から80年が過ぎる中、戦没者らの追悼に一人一人の名前を読み上げる取り組みが広がっている。来年6月に「神戸空襲死者のお名前を読む集い」が神戸で開かれることが決まった。空襲死者として判明している2267人の名前を一人ずつ声に出す。主催する「神戸空襲を記録する会」は「できるだけ多くの人に読んでもらいたい」とボランティアも募集する。(高田康夫)
同会は1971年に発足。78年に犠牲者名簿の作成を始め、2011年からは神戸市も情報収集に協力している。13年に大倉山公園(同市中央区)に「いのちと平和の碑」が建立され、空襲死者1752人の名前が刻まれた。その後も追加され、24年時点で2267人になった。
2年に1度、碑の前で開く刻銘追加式では、追加される名前を読み上げる。ただ、最初に刻まれた1752人は一度も名前を声に出さないままで、同会事務局長の小城智子さん(73)は「何とかしたい」と思い続けてきたという。
そんな中、ロシアがウクライナに侵攻した22年、沖縄県の平和祈念公園にある石碑「平和の礎(いしじ)」に刻まれた戦没者24万2567人(6月時点)の名前を読み上げる取り組みが始まった。一人一人の命の重さを実感する追悼は共感を呼び、今年8月6日に原爆被爆80年を迎えた広島でも、名前が分かっていながら遺族が判明していない原爆死没者812人の名前が読み上げられた。

























