ヴィッセル神戸のエンブレム
ヴィッセル神戸のエンブレム

 明治安田J1リーグ第26節第2日の11日、ヴィッセル神戸は敵地の日産スタジアム(横浜市)で、横浜F・マリノスと対戦し、武藤嘉紀がPKを含む2ゴールを挙げ、2-1で逆転勝ちした。神戸はJ1通算300勝を飾り、通算13勝6分け7敗で勝ち点45とした。首位のFC町田ゼルビアが湘南ベルマーレに0-1で敗れ、勝ち点差は「5」となった。

 2人の退場者を出して完敗した川崎戦から中3日。神戸はけが人の続出と主力の出場停止が重なる苦境を、見事にはねのけた。輝きを放ったのは武藤だ。ベテランらしい冷静さが光り、同点とするPKに続いて勝ち越しゴールを決め、4試合ぶりの白星に導いた。

 内容で上回りながら、3戦連続でCKから失点し、嫌な流れになりかけた直後の前半終了間際。ゴール前のこぼれ球に対応した大迫が足を蹴られ、PKを獲得。これを武藤がゴール右下に狙い澄まして決め、同点とした。

 後半20分には、自陣からボールをつなぎ、右サイドの広瀬が長いスルーパス。武藤が抜け出すと、1対1となった元神戸のGK飯倉の股を抜いて決めた。

 昨季1、2位同士の対決で3戦勝ち無しの神戸と対照的に、3連勝中の横浜Mを相手に苦戦は必至だった。だが2戦連続3失点から修正し、体を張って後半は無失点に封じた。吉田監督が「やってやろうという気持ちを出さないといけない」と語ったプレーを、選手がピッチで表現した。

 残り12試合で勝ち点5差に5チームがひしめく混戦に。連覇へ可能性をつなぐ大きな勝利となった。(井川朋宏)