8月、大雨により冠水した熊本市南区の道路で水没した車
 8月、大雨により冠水した熊本市南区の道路で水没した車

 今年8月に九州各地で起きた豪雨で、被災者に車を無料で貸し出す日本カーシェアリング協会への申し込みが計2千件を超えたことが25日、協会への取材で分かった。担当者は「浸水が夜間で、市街地だったことなどが影響しており、車の被害は深刻だ」と話している。

 貸し出す車について、協会は寄付で集めているが、相次ぐ災害で不足。約2千件の申し込みに対し、貸し出しできたのは約200台(9月19日時点)にとどまる。協会は「車の寄付をお願いしたい」と呼びかけた。

 8月の豪雨被害が大きかった鹿児島、熊本、福岡の各県で、協会は自治体とも協力して各地に長期・短期で車を無料で貸し出す窓口を開設した。

 協会にはその後も秋田、静岡両県の水害で相談が入り、それぞれ数件の貸し出しを実施。石川県・能登半島の地震、豪雨支援も継続しており、車が不足しているという。

 代表理事の吉沢武彦さんは「災害時の車の被害支援は、復興に欠かせない。ボランティアや寄付者の善意に頼るだけではなく、国を挙げて本腰を入れてほしい」と訴えている。