秋の風物詩、あぶりアユ作りに取り組む木田豪さん=和歌山県田辺市
 秋の風物詩、あぶりアユ作りに取り組む木田豪さん=和歌山県田辺市

 世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の熊野古道・中辺路で、昔ながらの保存食、あぶりアユ作りが進んでいる。秋の風物詩で、古道歩きの拠点の一つ、和歌山県田辺市の神社「滝尻王子」そばの土産物店と民宿を営む木田豪さん(55)が手がける珍しい保存法で人気が高い。

 5匹ずつ縄にくくってつるした商品は一つ4千円。近くを流れる富田川で夏に釣り、冷凍保存したアユを解凍。炭火で水分がしっかり抜けるまで2日間じっくりとあぶる。あぶり終えたアユは10月末ごろまで販売される。

 木田さんは炭火で焦げ目がついていくアユを返しながら「友釣りのアユにこだわっています。秋の味覚を楽しんでいただければ」と話した。