ガラスの天井を破り、ジェンダー平等に向けて道筋を開くのか-。女性をトップとする初の政権が誕生した。閣僚への女性登用が注目されたが、2人にとどまり「時代が戻った」との指摘も。選択的夫婦別姓の導入や包括的性教育の実現などジェンダー課題は山積しており、高市早苗新政権に議論の加速を望む声が上がった。
女性の政治リーダー育成に取り組む町田彩夏さん(30)は初の女性首相に「歴史の新しい一ページを刻む」と話す。
子どものころ、教科書に出てくる政治家は男性ばかりだと思っていた。そうした状況が変わることを期待したが、新閣僚は男性が多勢で「何一つ変わっていない。時代が戻ったよう」と落胆。窮地な時ほど女性がリーダーに担ぎ出される「ガラスの崖」という言葉を引き合いに、高市首相の政権運営がうまくいかなければ「『女性だから』と安易に結びつけられてしまわないか」とも懸念した。