米ニューヨークの国連本部
 米ニューヨークの国連本部

 国連は13日までに、地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」参加国が提出した2035年までの温室効果ガスの排出削減目標(NDC)を分析し、世界全体では19年比で12%の削減にとどまるとの推計を示した。ブラジル・ベレンで開催中の国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)に合わせ、9日までに提出した113の国・地域を対象にした。提出した国の排出量の合計は、世界全体の69%を占める。目標達成が困難な現状がより鮮明になった。

 世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ1・5度に抑えるパリ協定の目標達成には、35年時点で19年比60%減が必要とされる。10月に公表した、64カ国の推計では19年比17%減だったが、今回は世界1位の排出国である中国や、欧州連合(EU)も含めて再分析した。

 約200の国・地域が参加するパリ協定は、今年で採択から10年の節目を迎える。だが米国のトランプ政権が協定離脱を表明し、参加国の削減目標提出も滞るなど、足並みが乱れる中でCOP30が開催されている。