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もの知り投資学

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 今回は半導体業界の概要や、主な関連銘柄の業態、最近の値動きを見ていきましょう。半導体は自動車やパソコン、テレビなど幅広い製品に使われ「産業のコメ」とも呼ばれます。技術革新は著しく、企業の勢力図は変遷を繰り返しています。

 1990年代ごろまでは日本の半導体メーカーが世界を席巻しました。その後は韓国や台湾勢などとの競争が激化し、2012年には大手企業のエルピーダメモリが経営破綻しました。

 現在は、半導体の材料や工場設備の分野ではなお日本勢が先行しています。例えば基板材料のシリコンウエハーの製造は信越化学工業とSUMCOの2社が世界的に高いシェアを持っています。

 半導体製造装置のメーカーでは東京エレクトロンが世界的な大手企業です。業績拡大期待から、16年末の株価は前年末比約5割高となりました。製品の動作を点検する半導体検査装置はアドバンテストが強く、株価は2倍近くに上昇しました。

 株高の追い風となっているのが、半導体需要の高まりです。中国でスマートフォン市場の拡大が続き、データセンターが世界各地で建設され、大量の半導体が必要とされています。米国の業界団体の統計では、世界の半導体売上高は16年後半に伸びが加速しました。

 国内半導体メーカーでは、ソニーが画像処理に使う「CMOSイメージセンサー」を手掛けています。記憶媒体となる「NAND型フラッシュメモリー」を製造する東芝は技術力に定評はありますが、米原発事業の巨額損失で経営は厳しい状況です。ルネサスエレクトロニクスは自動車向け半導体に強みがあります。

 半導体は需給の変動が激しく、業界特有の景気循環は「シリコンサイクル」と呼ばれます。今は総じて好調ですが、数年前には市況悪化に苦しんだ時期もありました。中長期の投資を考える際はこうした好不況の波に注意することが必要です。

2017/3/1
 

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