富士山を眺めるホラアナライオンの想像図(蔦谷匠・総研大助教提供、Velizar・Simeonovski氏作成)
 富士山を眺めるホラアナライオンの想像図(蔦谷匠・総研大助教提供、Velizar・Simeonovski氏作成)

 現在の日本列島には数万年前、ライオンが広く分布していたとする研究結果を、総合研究大学院大や北京大などのチームが30日までに、米科学アカデミー紀要に発表した。これまでトラだと考えられていた化石標本からDNAやタンパク質を抽出して分析、絶滅したホラアナライオンだと突き止めた。

 かつてユーラシア大陸の北側にはホラアナライオン、南側にはトラが分布し、その間には両者がせめぎ合う「移行地帯」があったとされる。日本は移行地帯の東端に位置することから、ライオンがいた可能性もあるとみて最新技術で検証した。チームの蔦谷匠・総研大助教は「ライオンとトラの相互作用や生態系への影響を考えるための重要な成果だ」と話した。

 チームは日本各地で見つかった、化石になる途上の「亜化石」標本26点から残存する有機物を採取。ミトコンドリアのDNAや細胞核のDNA断片、タンパク質などが回収できた青森、静岡、山口の計5標本について海外のデータと比較し、いずれもホラアナライオンのものだと特定した。