陸自健軍駐屯地に残る旧日本軍の爆撃機組立工場=2026年、熊本市(健軍駐屯地提供)
 陸自健軍駐屯地に残る旧日本軍の爆撃機組立工場=2026年、熊本市(健軍駐屯地提供)

 全国の自衛隊基地や駐屯地内に兵器工場など旧日本軍の建築物が多数残り、少なくとも33都道府県で820棟に上ることが18日、防衛省への取材で分かった。防衛省は老朽化を理由に、解体を軸に検討している。戦後81年で体験者が減少し、戦争の悲惨さや教訓を示す「物言わぬ語り部」の重要性は高まる。

 自衛隊が保有する2万3千棟超の約3%に当たり、航空機の組立工場や格納庫、毒ガスや火薬の製造工場などとして使われていた。いずれも終戦の1945年までに建築。現在の耐震基準は満たしていない。

 うち国有財産として台帳に登録されている分が566棟(2025年3月時点)、防衛省が各部隊に聞き取るなどして判明した分が254棟(26年3月時点)。さらに判明する棟数は増える可能性がある。

 海自の横須賀地方総監部(神奈川県横須賀市)や舞鶴地方総監部(京都府舞鶴市)などには、文化庁認定の「日本遺産」を構成する建築物がある。防衛省は認定の有無にかかわらず、建て替えるかどうか検討するとしている。