外国人に関わる政策は、昨年夏の参院選に続いて衆院選でも注目される争点の一つになっている。各党の主張は「規制」か「共生」かに大きく分かれる。目立つのは規制強化の訴えだ。
外国人労働者は増え続け、昨年10月末時点で257万人を超えた。雇用者の約4%に当たる。製造業での受け入れが最多で、介護分野でも伸びている。深刻な人手不足を背景に、多くの産業が外国人労働力を頼みの綱としているのが実情である。
生活者でもある外国人とどう向き合い、互いが暮らしやすい社会を築くのか。納得して外国人を受け入れる制度設計や施策が欠かせない。政治には、共生へ向けた冷静な議論を強く求める。外国人への偏見や差別をあおる発言は社会を分断させる危険をはらむ。選挙運動といえども断じて許されない。
自民党はこれまで、経済界や過疎に悩む地方の声を受け、外国人労働者の受け入れ拡大を推進してきた。だが、選挙公約では規制を前面に打ち出した。保守層をつなぎとめる狙いからだろう。
「国民の不安と不公平感に正面から応える」ために、出入国在留管理や税・社会保障制度の運用を厳格化すると明記した。外国人の住宅や土地取得に関する法律やルールの見直しも掲げる。
連立を組む日本維新の会はさらに踏み込んで、外国人の受け入れ数を制限する措置の導入を据えた。国民民主党と参政党は、維新と同様に外国人の土地や不動産取得の規制強化を主張している。
一方、中道改革連合は日本人と外国人が互いを尊重し、ルールに基づく多文化共生社会を目指すとした。その基盤となる「多文化共生社会基本法」の制定を盛り込んだ。
共産党は外国人が地域社会で共生できる入管難民法の改正、れいわ新選組は低賃金の労働力導入が目的の移民政策に反対の方針で臨む。
政府は2019年、新たな在留資格「特定技能」を設け、家族の帯同に道を開いた。事実上の移民政策だが、政府・自民は「移民政策はとらない」との建前を崩さず、日本語教育や日常生活の支援などを自治体にほぼ丸投げしてきた。
それらのツケが、国政や地方の選挙で排他的な主張が叫ばれる事態を招いたと言えないか。
自民は外国人に対する日本語習得支援の拡充なども公約に記す。しかし、選挙戦では共生への具体策がほとんど聞こえてこない。今後、韓国などとの外国人材の獲得競争は激しさを増すだろう。「選ばれる国」になるには何が必要か、政権与党として議論をリードするべきだ。























