五輪と並ぶスポーツの祭典、サッカー・ワールドカップ(W杯)の北中米3カ国大会が11日(日本時間12日)に開幕する。出場枠が32から48チームに拡大し、米国、カナダ、メキシコの16会場で計104試合が行われる。複数国での開催は2002年の日韓大会以来だ。費用の増大などで今後は単独開催が難しくなるとされる。次回は6カ国で試合がある予定で、今大会の運営は共催時代に向けて重要な試金石となる。
8大会連続8度目の出場となる日本は、前回カタール大会に続いて森保(もりやす)一監督が指揮し、圧倒的な強さでアジア最終予選を制した。1次リーグはF組に入り、世界ランキング7位で準優勝3度のオランダ、スウェーデン、チュニジアと当たる。
日本は過去4回、1次リーグを通過してベスト16となった。出場国が増えた今回は1次を突破しても32チームが残る。決勝トーナメントを勝ち上がり、前回PK戦で逃した悲願の8強をつかんでほしい。そこまでいけば、チームが目標に掲げる優勝も決して夢ではないだろう。
代表26人の多くが欧州の名門クラブに所属する。兵庫県からは、尼崎市出身の堂安(どうあん)律選手(ドイツ・Eフランクフルト)が選ばれた。2試合で同点弾を決めた前回と同様、勝利につながる活躍を期待したい。初選出が13人を占める一方、39歳の長友佑都選手が代表入り5度目となる。若手とベテランをどう使うのか、森保監督の采配が注目される。
日本の痛手になったのは、主力と見込まれていた三笘(みとま)薫選手や南野拓実選手が負傷のために選外となったことだ。ただ、久保建英(たけふさ)選手が「三笘選手の気持ちも背負って頑張りたい」と話すように、不在を埋めるだけのチーム力は十分にある。
参加各国の試合も楽しみだが、海外のチームでは看過できない問題が生じている。イラン代表がキャンプ地を米国外に変更させられ、米国入りも試合前日まで認められない見通しだという。イランに割り当てられた入場券が取り消されたとの報道もある。開催国の対立国であっても差別的な対応をせず、選手が支障なく試合に臨めるようにすべきだ。
暑さ対策も大きな課題だ。気候科学者の国際チームは、地球温暖化の影響で「プレーするには危険」という気温や湿度の試合も出てくると予測する。今大会では3分間の飲水タイムが設けられるほか、一部会場は空調を整えているものの、熱中症などリスクへの備えが欠かせない。
W杯は政治や環境に左右されず、全ての国の選手が安心してプレーできる大会でなければならない。安全が確実に守られるよう、運営には細心の注意を払ってもらいたい。























