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 最大震度7の地震を観測した熊本県は、関連調査中を含め死者が35人に上ったと発表した。生存率が急激に低下する地震発生から「72時間」が過ぎたが、被害の全容は依然見えず、救助を待ちわびる生存者ががれきに閉じ込められている可能性は残る。捜索と救出に全力を尽くしてもらいたい。

 一方、災害関連死を防ぐ取り組みはこれから正念場を迎える。2016年の熊本地震では、建物の下敷きになるなどした直接死が50人だったのに対し、避難生活による体調悪化が原因の関連死は4倍以上の228人に上った。今回は震度7の地震が真夏に発生した初のケースであり、熱中症対策が最重要だ。

 被災地では374カ所の避難所に9千人超が身を寄せているが、冷房設備がないところが多いとされる。被災地の最高気温は連日35度を超え、週明けには40度の酷暑日も予想される。停電や断水が続く中、飲み水や塩分補給用のあめなどの配布、電源や取り付け工事不要のスポットクーラー、携帯扇風機などの調達が急がれる。

 衛生状態が悪化して感染症や食中毒が流行したり、トイレを我慢して腎機能を悪くする人が増えたりすることが懸念される。医療従事者や保健師らが連携し、被災者の体調管理に努めたい。

 真夏はただでさえ熱中症などで救急搬送が急増する。地震の発生で医療提供体制が逼迫(ひっぱく)する可能性がある。厚生労働省によると、被災のため患者らの避難が必要な医療機関は熊本県内に4施設あり、断水や停電により診療機能が低下している施設も多い。全国から派遣された災害派遣医療チーム(DMAT)や行政の担当者が協力し、医療体制の維持に努めねばならない。

 高齢者施設などの入所者が停電や断水で体調を崩しながら、入院先を見つけられずにいる事態も考えられる。各施設の状況確認を急ぎ、必要に応じて被災地外への「2次避難」を検討する必要がある。

 避難所を利用せず、自宅などで過ごす被災者へのケアも欠かせない。特に留意しなければならないのが、停電のためクーラーのある乗用車で寝泊まりする人たちだ。

 狭い場所で長時間同じ体勢を続けると、血行不良により肺の血管が詰まる「エコノミークラス症候群」が発症するリスクが高まる。16年の熊本地震では車中泊で体調を崩す人が相次いだ。時折車外へ出て体を動かすようにするなど、発症予防策の周知が欠かせない。

 官民がこれまでの災害で得た教訓を生かし、命を守る取り組みを進めることが重要だ。