初の「レベル5特別警報」が出た千葉県の豪雨では、冠水した道路での死者が相次ぐなど、大きな被害が出た。都市部を襲う豪雨の恐ろしさが浮き彫りになった。地球温暖化により豪雨の頻度は高まるとみられ、「数十年に1度」や「100年に1度」などの災害を前提に、被害を減らす対策を考えねばならない。
気象庁は、13日夜から14日未明にかけ、千葉市などに大雨と土砂災害のレベル5特別警報を出した。避難指示は一時40万人を超えた。帰宅時間帯と重なったこともあり、千葉県庁などに大勢の帰宅困難者が身を寄せた。広範囲で冠水し、多数の住宅に床上浸水などの被害が生じた。
今回、積乱雲が次々と生まれ、短時間に大雨を降らせる「線状降水帯」が3回発生した。千葉市では13日夜に1時間雨量が115・0ミリに達し、観測史上最大を更新した。8月1カ月の平年の降水量は115・7ミリで、1時間で1カ月分の雨が降った。市街地では、雨水の量が排水施設の処理能力を超え、地表にあふれ出す「内水氾濫」が起きた。
内水氾濫の被害の典型が、道路の冠水とそれに伴う車の立ち往生だ。大量の車が路上などで動けなくなり、千葉市や柏市などで車内に閉じ込められた人の死亡が確認された。
国土交通省によると、車内への浸水によってエンジンが停止し、動かなくなる恐れがある。タイヤが完全に水没すると車体が浮いて移動が困難になり、水深がドアの高さの半分を超えれば内側からほぼ開けられなくなる。急な大雨に遭遇したときは冠水した道路への進入を避け、動かなくなった場合は早めに脱出することが重要だ。特に道路や線路の下を通るアンダーパスは急激に水がたまって水没する可能性があるため、走行を避けるべきだ。
線状降水帯などの気象予報は、以前に比べて気象庁が早めに発表するようになった。線状降水帯は「半日前予測」や3時間以内の発生を予想する「直前予測」で警戒を呼びかけるが、今回は事前に出せなかった。発生メカニズムに未解明な部分も多く、ゲリラ豪雨などの場合、予測することは難しいという。
これまで経験したことのないレベルの大雨はいつ、どこで降ってもおかしくない。特別警報が発表されたときは、住民の側も、重大な災害が起きる可能性が既に著しく高まっていることを再認識する必要がある。普段から自宅や職場周辺の浸水リスクを把握し、「避難力」を高めることが大切だ。自治体は迅速な避難を促すよう啓発を強化してほしい。
台風シーズンは続く。家庭でも水や食料の備蓄、停電時の対策などを改めて点検しておきたい。
























